【手首の救世主】普通のマウスにはもう戻れない。ロジクール「M575S」トラックボール導入レビュー

在宅ワークで長時間PCに向かっていると、地味に、しかし確実にダメージが蓄積してくるのが「手首」だ。
画面の端から端までカーソルを移動させるために、手首を何度もひねったり、マウスを持ち上げて動かしたりする動作。これが1日何百回と積み重なると、夕方には手首がズキズキと重くなる。

特に私はデュアルモニター(2画面)環境で作業をしているため、カーソルの移動距離が非常に長い。普通のマウスでは限界を感じていた。

そんな悩みを解決するために導入したのが、トラックボールマウスのド定番、ロジクール(Logicool)の「M575S」だ。

「操作が難しそう」と敬遠されがちなトラックボールだが、結論から言うと「なぜもっと早く使わなかったのか」と後悔するほど快適だった。
今回は、普通のマウスから乗り換えて感じた劇的な変化と、M575Sが在宅ワークに最強である理由をレビューする。

なぜ「トラックボール」を選んだのか?

手首への負担をゼロにしたかった

普通のマウスを使っていた頃、どうしても気になっていたのが手首の疲れ(腱鞘炎予備軍)だ。
マウスを動かす時、どうしても手首の付け根(豆状骨あたり)がデスクと擦れたり、支点になったりして負担がかかる。

トラックボールなら、本体を動かさずに「親指だけ」でカーソル操作ができる
手首をデスクに固定したまま、指先だけで仕事ができるなら、この痛みから解放されるのではないかと考えたのが最大の理由だ。

省スペースで場所を選ばない

普通のマウスは、動かすためのスペース(マウスパッドの広さ)が必要だ。デスクの上に書類や飲み物があると、マウスを動かす場所がなくなってイライラすることもある。

しかしトラックボールは、本体を置く場所さえあればいい
M575Sは一度置いたらそこから1ミリも動かす必要がないため、デスクが散らかっていようが、膝の上だろうが、どんな場所でも変わらない操作性を維持できる。この「場所を選ばない」という特性は、狭いデスク環境において大きなメリットになる。

「デュアルモニター」との相性が良すぎる

私がトラックボールを導入して最も感動したのが、デュアルモニター環境でのカーソル移動だ。

「マウスを持ち上げる」動作からの解放

横に長い2枚のモニターを使っていると、画面の左端から右端までカーソルを移動させるのに、普通のマウスだと一度では届かないことがある。
「マウスを右に動かす → 端で持ち上げて左に戻す → また右に動かす」
この「持ち上げ動作」が、地味にストレスであり、手首への負担の元凶だった。

ボールを弾けば一瞬で端まで届く

しかしトラックボールなら、親指でボールを「シュッ」と弾くだけで、慣性でカーソルが画面の端から端まで一瞬で飛んでいく。
2枚のモニターを、あたかも1枚の狭い画面のようにストレスなく行き来できるのだ。

もし私と同じようにデュアルモニターやウルトラワイドモニターを使っているなら、トラックボールの恩恵は普通のマウスを使っている人の何倍も大きくなるはずだ。

【検証】トラックボールは操作が難しい?

購入前に一番不安だったのが、「親指だけで細かい操作ができるのか?」「慣れるまで時間がかかるのではないか?」という点だ。
ネットのレビューを見ても「慣れるまで1週間かかった」という意見が散見される。

結論:すぐに慣れた

実際に使ってみると、心配は杞憂だった。私は使い始めた初日から、ほぼ違和感なく操作できた
考えてみれば、現代人はスマホのフリック入力やゲームパッドの操作で「親指の細かい動き」には慣れている。

  • カーソル移動: 親指でボールをコロコロする

  • クリック: 人差し指と中指(普通のマウスと同じ)

この操作体系は非常に直感的だ。Excelのセル選択や、細かいテキストのコピーも、数時間触っていれば狙った通りにピタッと止められるようになった。
「難しそう」というイメージによる食わず嫌いはもったいないと断言できる。

ロジクール「M575S」の使用感レビュー

手首が「無重力」になった感覚

M575Sに変えてから、手首が疲れることは完全になくなった
本体の形状が絶妙なエルゴノミクス(人間工学)デザインになっており、手をポンと乗せると、自然と脱力できる角度になっている。手全体のひらで包み込むような形なので、変な力が入らない。

以前は夕方になると手首を回してコリをほぐしていたが、今はその必要がない。「マウス操作で体力を消耗しない」ということが、これほど快適だとは思わなかった。もう普通のマウスに戻ることは考えられない。

地味に便利な「戻る/進む」ボタン

M575Sには、左クリックボタンの脇に2つの小さなボタンがついている。デフォルトではブラウザの「戻る/進む」が割り当てられている。
これが地味だが非常に便利だ。調べ物をしている時、いちいちブラウザの矢印ボタンまでカーソルを持っていかなくても、人差し指でカチッと押すだけでページ移動ができる。
このボタンがあるだけで、Webブラウジングの効率が格段に上がる。

ワイヤレス接続の安定感

M575SはBluetooth接続と、付属のUSBレシーバーによる無線接続の両方に対応している。
私はUSBレシーバーを使っているが、接続は非常に安定している。遅延やカーソルの飛びもなく、有線マウスと同じ感覚で使える。単3電池1本で最大24ヶ月もつというバッテリー持ちの良さも、ズボラな私にはありがたい。

唯一のデメリット:定期的な「掃除」

完璧に見えるトラックボールだが、唯一の弱点は「ゴミが溜まること」だ。
ボールの滑りを良くするための支持球(内部の小さな支え)に、手垢やホコリが溜まってくると、ボールの動きが「ガガガ」と少し重くなる。

ただ、掃除は簡単だ。裏側の穴から小指でボールを押し出せば、簡単にポロリと外れる。
あとは中のホコリをティッシュで拭き取るだけ。数週間に1回、30秒程度のメンテナンスが必要だが、この手間を補って余りある快適さがここにはある。
(愛着を持って道具を手入れする時間は、意外と悪くない)

まとめ:デスクワークの疲れは「道具」で減らせる

ロジクール M575Sは、決して高い買い物ではない(トラックボールの中ではエントリーモデルの価格帯だ)。
しかし、導入したその日から「手首の痛み」というストレスを物理的に消し去ってくれる。

  • すぐに慣れる直感的な操作

  • デュアルモニターを一瞬で移動できる機動力

  • 手首を一切動かさなくていい快適さ

もしあなたが「なんとなく難しそう」という理由で普通のマウスを使い続けているなら、ぜひ一度試してみてほしい。
親指一本で画面を自在に操る感覚を知ってしまえば、もう普通のマウスには戻れなくなるはずだ。

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