【比較レビュー】Duorest(新品)vs オカムラ(中古) 在宅ワーク用チェアを2脚使ってみた感想

在宅ワークが当たり前になってくると、「どんな椅子に座るか」で1日の疲れ方がまったく変わってきます。

私も最初はダイニングチェアのような固い椅子で作業していて、腰やお尻の違和感に悩まされていました。「ちゃんとした椅子を買おう」と思い立ち、東急ハンズで試座して一目惚れしたのが Duorest(デュオレスト)。ところが、実際に自宅で長時間使ってみると、想像していた快適さとは少し違う結果に……。

最終的には、Duorestの約1/5の価格で購入した中古のオカムラチェアが、在宅ワークのメイン椅子として定着しました。同じ「ワークチェア」でも、新品の高級チェアと中古のオフィスチェアでは、使い心地も満足度もかなり違います。

ここでは、実際に2脚を使い比べて感じたことを、正直ベースでまとめます。

Duorestを選んだ理由と「第一印象とのギャップ」

東急ハンズでの試座は「これだ!」だった

Duorestに出会ったのは、東急ハンズの椅子コーナーでした。

2つに分かれた独特の背もたれが、背中を左右から包み込むようにフィットし、「あ、これなら長時間作業しても楽そう」と直感で感じました。その場で少し揺れてみたり、もたれかかってみたりしても、当たり心地はかなり好印象。正直、その時点ではほぼ即決モードでした。

「在宅ワークも本格化してきたし、ここは思い切って良い椅子を買おう」と決めて、Duorestをお迎えすることにしました。

自宅で8時間座って見えてきた違和感

ところが、実際に自宅で1日中作業してみると、印象が少し変わってきました。

最初の1時間、2時間くらいまでは、「やっぱり背中を包んでくれる感じが気持ちいいな」と感じます。ですが、3時間、4時間と時間が経つにつれて、なぜか体が落ち着かず、姿勢を頻繁に変えたくなる感覚が出てきました。

決定的にどこが悪い、というよりは「なんとなくしっくりこない」「ずっと座っていると疲れてくる」という種類の違和感です。お店での数分間では分からなかった部分が、8時間クラスの在宅ワークで徐々に浮き彫りになってきました。

可動する二分割背もたれが合わなかった可能性

Duorestの大きな特徴である、左右に分かれた可動式の背もたれ。この構造が、短時間の着座には心地よくても、長時間集中して作業したい時には「体が固定されない感覚」につながってしまったのかもしれません。

背もたれが動くことで、もたれたときの追従性は高いのですが、そのぶん「どっしりと預けて安定させる」というより、「常にわずかに揺れている」ような印象になります。

結果として、

  • 体をまっすぐ固定してガッと集中したい
  • 同じ姿勢で静かに作業を続けたい

という私のスタイルとは、少し相性が良くなかったのだと思います。

中古オカムラチェアとの出会いと座り心地

Duorestの1/5の価格で「ダメ元購入」

Duorestがどうしても「決定版」になり切らない中で、「もう一脚、別の椅子を試してみよう」と考えるようになりました。そこで候補に挙がったのが、中古のオカムラ製オフィスチェア(コンテッサチェア)です。

オカムラといえば、オフィス家具の定番メーカー。新品で買うとそれなりの価格ですが、中古市場では状態の良いものがかなり手頃な価格で出回っています。

今回見つけた椅子(コンテッサチェア)は、なんと Duorestの約1/5の価格。正直、「もし合わなくてもネタになるか」という気持ちで、ほぼダメ元で購入しました。

「普通の形」なのに姿勢が崩れにくい

届いて組み立て(と言ってもほぼ完成品)て座ってみると、見た目は本当に“普通の事務椅子”という印象です。背もたれも座面も、どこか派手な仕掛けがあるわけではありません。

ところが、実際に1日座って作業してみると、その評価が一気に変わりました。

  • 座面の土台がしっかりしていて、変な沈み込みが少ない
  • 背もたれも素直な形で、背中全体を支えてくれる
  • 気付いたら、同じ姿勢のまま集中し続けていた

という感覚があり、「あれ、こっちの方が作業には向いているかも?」と感じるようになりました。

体重を預けられる肘掛けの安心感

今回の椅子選びで、私にとって外せなかった条件のひとつが「肘掛け付き」であることです。キーボード入力が多い作業スタイルなので、肘掛けに腕を預けながらタイピングできるかどうかが、体の負担に直結します。

中古のオカムラチェアの肘掛けは、

  • 体重を預けてもグラつかない
  • 高さや位置がちょうど良く、無理なく腕を置ける

という点でとても優秀でした。

Duorestにも肘掛けはありますが、「安心して体を預けられるか」という意味では、オカムラの方が一枚上手。結果として、長時間の作業でも肩まわりがかなり楽になりました。

Duorest vs 中古オカムラ:5つの比較ポイント

価格と満足度

  • Duorest:新品で購入。決して安くない投資だったが、長時間作業との相性はいまひとつ。
  • オカムラ(中古):価格はDuorestの約1/5。それにもかかわらず、在宅ワークのメイン椅子として「これで十分」と思えるほどフィット。

「高い椅子=正解」とは限らないという現実を、実体験を通して味わうことになりました。

試座5分 vs 自宅8時間のギャップ

お店での試座は、せいぜい数分〜10分程度。その短時間だけだと、

  • 背もたれが動く気持ちよさ
  • クッションの柔らかさ

といった「第一印象の良さ」が前面に出てきます。

一方で、自宅で実際に 8時間前後座り続けると、細かな違和感や疲れやすさが見えてくるものです。

Duorestは「短時間の印象は最高、長時間作業では違和感が出てくる」タイプ。中古オカムラは「最初は地味だけど、長く座るほど良さが分かる」タイプでした。

背もたれのタイプの違い

  • Duorest:左右に分かれた可動式背もたれ。動きに追従してくれる感覚があり、寄りかかると独特の気持ちよさがある。
  • オカムラ:一体型の背もたれで、しっかりと背中を支えるタイプ。どっしりとした安定感があり、体を固定しておきたい作業に向いている。

リラックス重視ならDuorestの構造は魅力的ですが、「集中して作業する時間が長い」私には、オカムラの素直な背もたれの方が合っていました。

構造の安定感

Duorestは構造がユニークなぶん、良くも悪くも“癖のある椅子”という印象です。体に合えばとても気持ち良い反面、「なんとなく落ち着かない」と感じる人もいそうです。

オカムラの中古チェアは、構造自体はオーソドックスですが、その分だけ ガタつきが少なく、座った瞬間から安心して体を預けられる感覚があります。

最終的にメインになったのはどちらか

結論として、在宅ワークのメイン椅子になったのは 中古のオカムラチェア でした。

Duorestは「短時間座ると気持ちいい椅子」「デザインや構造の面白さが光る椅子」としてのポジション。対してオカムラは「何時間でも座って作業を続けられる実務用の椅子」という立ち位置です。

それぞれの「良い点」と「気になる点」

Duorestの良い点・気になる点

良い点

  • 背中を包み込むような独特のフィット感がある
  • 短時間の着座や、軽く寄りかかって休憩する時はとても気持ちいい
  • デザインにインパクトがあり、「良い椅子を使っている」という満足感がある

気になる点

  • 長時間作業になると、体が落ち着かず姿勢を頻繁に変えたくなる
  • 可動する背もたれが、集中したい時にはかえって気になることがある
  • 決して安くない価格だっただけに、「自分には合わなかった」と気付いた時のダメージが大きい

中古オカムラチェアの良い点・気になる点

良い点

  • 新品の高級チェアの約1/5という価格ながら、座り心地は十分以上
  • 座面・背もたれともに土台がしっかりしており、長時間座っても姿勢が崩れにくい
  • 肘掛けの位置や硬さがちょうどよく、腕を預けたまま作業しやすい
  • 見た目は地味だが、仕事道具としての安定感が高い

気になる点

  • 中古ゆえに、前の持ち主の使用感(小さな傷や擦れ)などはどうしても残る
  • デザインはあくまで「オフィスチェア」であり、インテリアとしての華やかさはあまりない

椅子選びで意識しておきたいポイント

「高い椅子=自分に合う」とは限らない

今回の一件で一番強く感じたのは、価格と自分との相性はまったくの別物だということです。

Duorestは決して悪い椅子ではなく、構造としてもよく考えられた製品だと思います。それでも、「自分の体」「作業スタイル」との組み合わせによっては、本来の良さを十分に感じられないことがあります。

長時間作業を前提に考える

私自身、キーボード入力が多い作業スタイルなので、肘掛けは必須と感じています。腕をどこにも預けられない状態で数時間タイピングすると、肩や首まわりに負担が蓄積しやすく、作業効率も落ちてしまいます。肘掛けに自然に腕を置けるだけで、姿勢が安定し、余計な力が抜けて集中しやすくなるため、この点は椅子選びの重要要素として外せません。

お店で数分座った印象だけで判断するのではなく、

  • 何時間も同じ姿勢で作業することを想定できるか
  • 肘掛けや背もたれに、安心して体を預けられるか

といった視点を持っておくと、椅子選びの精度がかなり変わります。

もし可能であれば、レンタルサービスや中古品で「お試し期間」を作ってみるのもひとつの方法です。

中古の国産チェアという選択肢

中古市場には、今回のオカムラのように、新品時は高価だったオフィスチェアが手頃な価格で出ているケースがたくさんあります。

  • とにかくコスパを重視したい
  • 仕事用として、長時間座っても安定する椅子が欲しい

という人にとって、中古の国産チェアはかなり有力な候補になります。

まとめ:自分の作業スタイルに合う椅子が「正解」

最終的に、私の在宅ワークを救ってくれたのは、新品の高級チェアではなく、中古で見つけたオカムラのオフィスチェアでした。

「高い椅子を買えば万事解決」というわけではなく、

  • どんな姿勢で作業することが多いか
  • 肘掛けや背もたれをどう使うか
  • 何時間連続で座ることが多いか

といった自分のスタイルを基準に選ぶことが大切だと実感しています。

これから椅子を買おうとしている人の参考になれば嬉しいです。

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